鯨への紫外線
英ロンドン動物学会・ロンドン大学・メキシコの海洋科学学際センターの生物学者ら研究チームによって、鯨の皮膚について研究されました。
2007~2009年、1~6月にかけて米カリフォルニア州沖のメキシコ湾で、シロナガスクジラ、ナガスクジラ、マッコウクジラなど約150頭を調査。日焼けして人の皮膚にできる水ぶくれに似た症状が多くのクジラにみられました。
研究チームはクジラを高解像度カメラで撮影・観察したり、クジラの皮膚サンプルを採取し、顕微鏡で検査したところ、水ぶくれのような皮膚の損傷が広く確認され、時間の経過とともに悪化していきました。
日光を浴びた時間が長かったクジラほど、症状はひどく、
皮膚の色が薄いシロナガスクジラの状態が、最も悪かったようです。
英ロンドン動物学のローラ・マルティネス・ルバッサー氏は「クジラの皮膚損傷が増加している原因はこの段階では明らかではないが、原因として考えうるのはオゾン層の減少や雲量の変化だ」と言っています。
クジラは1日の中でも数時間は海面で過ごします。息継ぎをしたり、子供に餌をあげたり、仲間同士でコミュニケーションをとったりするための行動です。
水中で生活する動物の中でも紫外線を浴びる時間が長いのです。
メキシコ湾の紫外線レベルは年間通して「強い」から「極端に強い」の間を揺れ動いています。
皮膚の厚い動物にも多大な悪影響を与えていますが、人間にとって、紫外線が10%増えると、男性19%、女性16%も皮膚がんが増加するという研究結果も出ています。
